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学生村(23)-そして誰もいなくなった [学生村]

2017.9.5


今日は理事会がある。一応、監査を頼まれて2年目なので出席しなければいけない。今年も半年が過ぎてしまって初めての出席だ。場所が遠く、時間も夜だ。なかなか都合が合わない。担当の方の年1回の立ち会いと総会の出席だけできれば大丈夫というお言葉に甘えて、今日となってしまった。管理会社の方もやってくれる人がなかなか見つからないらしく、一応、名前だけ連ねている。


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学生客は誰もいない。一人ポツネンと過ごすのはなかなか勇気が要る。そのときも20畳の大きな部屋に机と布団と手荷物だけだ。殺風景極まりないものだから、どうにも、こうにも落ち着かない。特に夜はね・・・ちょっと怖い。


立ち机の電気スタンドだけで勉強をしていると後ろから冷気がそっと忍び寄ってくる。寒いから、夏物の靴下を重ねて履く。夏休みの宿泊準備だから、冬物の靴下など持ってくるはずもなく、同様に上着も半袖Tシャツを重ねて着る。さすがに長袖の上っ張りは持ってきているので、それを羽織る。でも寒い。肩からおけつまですっぽりと毛布を被った。そんな寒い部屋であっても、もちろん、ストーブなどがあるはずもない。果たして、冬来たら、この部屋の客はどうするんだろうと思った。


朝、ストーブを付けた後、食事ができる。決して華やかな食事ではないし、お世辞にも豪勢とも言えない食事だ。朝食だから定番のメニューだ。ご飯、レタスの味噌汁、ナスとウリの漬け物、目玉焼きとハムとキャベツの千切り添え、味付け海苔だ。


ここに来て、レタスを加熱する食べ方を初めて知った。知ったというか、レタスはサラダで生で食べるものばかりと思っていた者にとっては、少し衝撃だ。


こんなメニューでも、みんなと食べるとおいしい。わいわい言いながら食べるのは楽しく、おいしい

みんなで競ってお代わりもした。しかし、今日は一人だ。当然、食は進まない。


みんなは下界に帰って-----ここでは東京に帰ることを下界に戻ると言っている---何をしているのだろう。それぞれの生活に戻って、それぞれの目標に向かって歩みを始めているに違いない。変な感傷に浸っている暇はなかった。そうだった。前にすすまなきゃ。少しの焦りを感じた。







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