2016.7.22
介護は人生の必須条件。
政府の目標の一つに「介護離職」なるものがワードとして使われているが、私が父親の介護に遭遇した当時は、
そんな言葉はなかったし、車椅子もレンタルなどというものはなかった。もちろん、ケアマネージャーなんていう言葉も
なく、ただただ好奇の目にさらされながら、病院に通院、カイロプラクティス通いをしていた。
当時は、病院がサロン化しているなどと言われる前だったから、治療以外の場合でも、介護ができない方は病院に入院が
できた。何カ月も何年も可能だった。
しかし、今は違う。
自分の仕事があるから親の介護はできない、病気治療でないけれど、面倒が見られないから「先生、入院させて」と
言っても無理だと断られる。つまり、「自分でなんとかしろ」というわけだ。
自分が一人っ子だったら、どうするのか。
離職しなければならない? 国の方針で社会保障費削減のために早期退院をさせ、病院のサロン化防止のためにやって
いる政策は、すべて介護離職につながっている矛盾。
親が40代での晩婚化は、60代で子どもが成人、80代で子どもが40代、90代で子どもは50歳代だ。つまり、子どもが働き盛りの40歳代で介護になる可能性があり、幾ら長生きになるといっても、親が90歳代では、ほぼ全員目の離せない介護状態だろう。
つまり、その親は60代で成人の「子育て」と「親の介護」が重なる。あなたに伴侶がいれば相談なり、あなたの助けになるからまだいいが、
シングル(ファザー、マザー)だったらどうするのか。
人生には「子育て」、「親介護」、「伴侶介護」、「終活」(最近は「ニート」もあるかも)とイベントが目白押しだ。それをいかに重ならないようにするか。
生きていく上で与えられた時間はあまりにも少ない。若いときのよかれと思っていた気ままな生活が、
老成期になったときに、意外な悲劇的結末になるということを肝に命じなければいけない。
「早婚」、「二人っ子」、これが最低限の人生のメルクマールになるかもしれない。