2017.8.30


やっと遠く----多分100メートルぐらい先---で魚の跳ねるのを見た。その先にはかすかに樹木か、棒か、何か尖ったものがちょこっと見えた。遠目で2~3センチだから、実物は30センチは出ていたのだろうか。


そこをずっと凝視した。すると再び魚が跳ねた。やはり、その尖った先の周りだ。


そうだ! バスは枯れ木とか、障害物(ストラクチャー)を好むと言われていたんだ。きっと、その尖ったものは木の枝に違いない。枝が湖底に刺さって水面に出ているのか。それとも岩などの障害物に木の枝が引っかかって尖っているのか、と想像された。


しかし、遠い。思いっきりキャストして届くのだろうか。

足場は結構平らで20畳ほどの広さがあったので、思いっきり踏ん張ってキャストするにはもってこいの場所であった。

 

自分の心の中は、何の根拠も、論拠もなかった。ただただ「釣りたい」という思いだけがイコール「釣れるに違いない」になっただけなのだが、 はやる気持ちは、もう誰にもとめられない状態になっていた。


冷静にキャストした。一投目、大きく左にはずれた。二投目、目印の木の棒の左側2メートルほどに落ちた。ゆっくりとリールを巻く。何の反応もない。三投目、木の枝1メートルぐらいに着水。ナイスショット!だ。リールを巻く。何の反応もない。これが延々と続いた。



かれこれ10投目。



折れた気持ちのまま無造作にリールを巻いたその瞬間、そのルアーにバスが猛然と追いすがってきた。はっきりとその姿が見えた。「 やった」と思い、竿をぐっと引っ張り立てた------とその瞬間、ロッド(竿)は思いの外軽く、空を切った????????


バスは口を開けて飛び掛かってきたが、まだルアーを飲み込んではいなかった早すぎたのだ。引くのが早すぎたのだ。


見える釣りほど難しいものはないというが、バスが見えた瞬間、私はロッドを引っ張り立ててしまったのだ。ここは冷静にバスの顔を見つつ、ロッドに当たりを感じてから、ゆっくりと上げなければいけなかったのだ。