2016.11.22 

今回、母の介護でお世話になっている介護現場の人たちは十四、五人以上になる。別にこの方々に優劣を付けるつもりは毛頭ないが、その中で一際突出した方がいる。



 



その方は、被介護者に対し、健常者のようにごく普通に接している。言葉遣いも変に目上でも目下でなく、限りなく普通だ。そして、彼女がほかの人と違っていることは、意思の疎通をあきらめないことだ。そして、母を笑顔にさせることだ。それは彼女自身が笑顔で接しているからで、笑顔を母に向けなければ、母も笑顔を彼女には向けないだろう。その対応はほかの介助者とは明らかに違っていた。

普通の方は、意思の疎通ができないと、ほぼあきらめる。あきらめて黙るか、独り言のように同じ言葉を繰り返し、話題を変える。それを彼女はしない。母に言葉をかけ続ける。はっきりした反応が10回に1回しか返ってこないときも同じだ。きっと彼女は自信をもって仕事をやっているのだろう。だから、家族の顔色も伺わない。必要な質問のときのみ私に顔を向ける。私は母の顔を見えるが、彼女の真後ろにいるので、彼女の顔は見えない。その姿勢を私は大いに受け入れている