SSブログ

ヤングケアラー [医療・介護]

2021.5.24

こんにちは。

とはいえ、もう夕方。一日の過ぎるのは速い。特に年を重ねていくとより速くなる。どこかのテレビで言っていたが、年を重ねていくとだんだんその過程がわかり、予測がたやすくつくことが多くなる。したがって、時の経つのが速いということらしい。分かったような分からないような、凡人な私としては、分かったようなフリしかできない。

----・----・----

「ヤングケアラー」つい最近も新聞で載っていたワードだ。関係のない人たちは全くと言っていいほど関心がないが、それはそれで仕方がない。それが世の中だ。

しかし、当事者である方々は、これはかなり深刻な問題。これも静かに密かに進行していく。マスコミはいいにつけ、悪いにつけ格好いい言葉を付ける。これはマスコミではないかもしれない。何とか審議会というお偉い学者さんがたくさん出席する会議資料で登場することも多いから、霞が関のお役人あたりが作り出した言葉かもしれない。

まあ、それはいいとして、先日、新聞記事でヤングケアラーの当事者が言っていた言葉が今も心に深く残っている。

そうそうその前に一応言葉の説明をしておくと、ヤングケアラー--若くして介護の経験をしていた人、している人のことだ。

その記事には訪問医療とヘルパー介護のことが書いてあり、ヘルパーさんの動向に不信を抱いていると書いてある記事があった。その方は現役の学生さんで祖母を介護していた。家の鍵はキーボックスなどに保管し、家族の不在時、ヘルパーさんは決められた時間に自由に出入りし、介護や診察をするというシステムだ。

決してヘルパーさんがみんなそうだと言っているわけではないが、一応、在宅介護・訪問診療・自宅での看取りを経験した私としては、痛いほど、その気持ちが分かってしまったことは確かだ。

私の場合、親の家で介護をした。親の動きは止まっても、親の生活していた家はそこにあるわけで、親の生活の残骸というか、残存物はあり続けていたわけで、流石に貴重品は残しては置かなかったが、自分たちにとって「大切なもの」「見てほしくないもの」は完全に払拭できるはずもなく、家の中に残り続けていく。あるとき「あれっ」と思うことが起こったので、そのことを確かめるべく部屋に細工をしておいたことがあった。

親は介護度5の寝たきり。寝返りをうてるわけもなく、人が手を加えない以上、朝寝かせた姿勢は夜までずっとそのまま。それが介護度5の現実だ。

私の親は物を大事にとっておく人だったので、家中昔のものが転がっている状態で、他人が多く出入りするようになり、押し入れに整理してしまっておくしか方策はなかった。もちろん、押し入れはドアは付いていて、そのドアを開けない限り、中は見ることができない。前日、その押し入れの中を確認し、ドアを閉めて退出した。翌日、再び親の安否を確認すべく部屋に入ってみると、確かに占めたはずのドアがほんの少し開いていた。ドアは固く押し込まないと閉まらないドアで、他人が多く出入りする現在、意識をして押し込んでドアを閉めた、はず・・・・・・・。しかし、私の記憶違いかもという思いもあり、今一度確認することにした。正面切って相手に聞いてみるのも少々エネルギーで要るわけで、今回はそれは不適当だと感じ、やめた。少し後ろめたい気持ちもあったが、そのドアに細い紙切れを挟んでおいた。誰かが開けなければ、その紙切れはそのドアに挟まったままのはず。しかし、その翌日案の定、紙切れは挟まったままではなく、畳みの上に落ちていた。

つまり、誰かがこのドアを開けたことになる。そのドアの中身は金目のものはないが、何がどれだけあったとか記録するつもりもないし、する必要もなかったわけだが、親の介護に関係ない、このドアの中を覗くこと自体に腹が立った。

その翌日からは、ヘルパーさんが来る時間には必ず帯同し、その行動を牽制することにした。当然、事はそれ以上大きくなることはなかった。

当時、私は自営業ということもあり、自宅で仕事をすることも多く、その自由度は学生やサラリーマンより格段に大きかった。しかし、問題は若い介護者だ。学生であったらば、そんなことを薄々勘づいたとしても、時間もないし、それをどうすることもできないのが現実だろう。もちろん、ヘルパーさんには立派に真面目に家族が見ていようが、いまいが業務を忠実にやっている方もいらっしゃることは確かだ。しかし、そうでない方がいることも確かだ。介護以外にヘルパーさんへの気配りもしなければならないことは本当に大変なことだと思う。高校生が介護するだなんて私は考えられない。

ほかにも2回ほど「あれっ」と思うことがあった。人間は素直をもので、後ろめたいことをしているときに出くわすと、家族の方にそれを悟られまいと妙な対応をすることが多い。その方たちはまだいいほうかもしれない。全く顔にも出さないもっとすごい強者はきっといるに違いない。

ケアラーはヤングだけではなく、アダルト、ミドル、シニアとどんな世代でも起こり得ること。あなたが一人っ子なら100%あるわけで、二人兄弟にしろ、三人兄弟にしろ、誰がどう見守るんだなど、ケアに関わらなければならないことは必ずある。伴侶がいれば相談をしながら解決できることも、独身であれば、おのれ一人でそれを抱え込まなければならなくわけで、自分の人生をかけて介護をすると言っても、決して言い過ぎではない。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感