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学生村(30)--山田君のその後(6) [学生村]

2017.11.15


11月もあと半分で師走か、ハヤイはやい。光陰矢の如し。名は体を表すではなく、まさに「諺は体を表す」だ。

朝方、ソネットのメンテナンスがあったようで、6時ぐらいまで打てなかった。

そう言えばPS(パスワード)も変えていないから変えないといけないとコメントがあったっけ。自分側のメンテナンスもしないといけないね。


また、不正楽天メールがきていたし、ほかにも2つほど不正メールが来ていた。皆さんご注意ご注意!


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学生村に来る山田君、あまりしゃべらなかったが、彼は勉強をしに来ているわけではなかった。まず荷物が少ない。いや、ないに等しかった。どう見ても教科書、参考書が入っている鞄ではなさそうであった。


そんな彼だからこそ、宿の子どもたちとはよく遊んでいた。我々勉強組は朝御飯終了後、一服する間もなく、洗濯、掃除をし、お湯をもらい、珈琲を用意し、直ぐさま自分の部屋に入っていくのが常であった。


彼の滞在は長くても1週間ぐらいだったろうか。


そんなに皆とも仲良くなる前にいなくなってしまう彼ではあったが、それは旅先の自由な空気もあり、夜な夜な酒を酌み交わすことも多く、2~3日滞在すれば、それはそれなりに親しくなる環境ではあった。


ある夕暮れ、夕食の時間となり、みんな食堂に集まってきた。

「さあ、今日はいっぱい食べるぞ」と弁護士試験に精を出している錦織君が言った。

続いて「おっ、女将、今日は気張ってね。」と慶応ボーイの船山さんが明るくはしゃぎながら入ってきた。

「そうそう、新しいお客さんが来るいつもそうなんだ。」と船山さんの友人の小森さん。


自分はそういう皆の顔を見ながら、ご飯の給仕をしていた。


「みんな、いっぱい食べてね。お代わりもあるからね。遠慮せんでね。」と今日はそこそこ通じる言い方で、発音はちょっとおかしいけど、女将は話しかけてくれた。いつも気持ちのいい女将であった。


みんな徐々に集まってきた。今日は全員で12名の大人数であった。

全員がそろうまで待つ習慣はなかったが、そこは顔なじみのこともあり、「あれっ、吉田君まで見えないね。ちょっと呼んできて、あの人は離れだから、わからないんだ、きっと。お願いね。」と女将。


離れは2つあって、私の泊まっている隣棟の20畳の部屋と、そこから30メートルは離れているもう一つの離れがあった。そこには3部屋ぐらいあって、割り方、しっかり勉強組の秀才が多かった。食事のときなども、どうしても遅れがちになり、朝は必ず加奈子が呼びに行くことになっていた。


食べ始めている人もいたが、みんなが何となくそろったところで食べ始めていた。20代の若い連中は食べ始めると同時に、我先に飯をかき込むことが多く、みんなあんまりしゃべることもなく、特にお代わりをするわけでもないのだが、むしゃむしゃと食べる音のみが聞こえていた。相当腹が減っていることもあった。


ふと、錦織君が言った。「あっ、山田君がいないね。おばさん、一人まだ来ていないからね。」

「そっか、加奈子と出かけると言っていたもんね。だから、加奈子も一緒にまだ帰っていないわ」


季節は7月下旬、まだ明るかったが、時間はとうに18時を回っていた。


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