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学生村(28)--山田君のその後(4) [学生村]

2017.11.8


おはようございます。


今日もゴミ出しをしてきた。相変わらず量は多い。約30袋だ。こんな早起きをしているのは俺ぐらいかと思ったら、結構多くの人たちが早起きをしている。夏と違い5時前はまだ暗いのに、公園で犬とはしゃいでいる夫婦? 新聞屋さんは当然としても、くわえタバコで家の前にたたずんでいる人もいる。

5時になると皆さん家の電気がつくところが増えてくる。はやりベッドタウンだからか、6時には家を出る人が多いからか、とにかく、皆さん早起きだ



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山田君とはそんなに話をするわけではなかったが、後で聞いた話だと私より1~2歳年上だと聞いた。

今思えばシャイだったんだろう。お互い気にもとめることもなく「あっ、来ているだ」程度の間柄であった。そんな彼も宿の子どもとはよく遊んでいたようで、宿の女将も感謝の気持ちをよく口にしていた。

「助かるんよ。私も仕事が多いし、さったが、とうちゃんもよういないことがあるから目が届かんよぉ。だから、よくしてもらってんさ、感謝せにぁならんさ。」とよくわからない方言でしゃべっていた。実際はもっとわからない。彼女の言葉を文字に書きあらわすのはかなりの無理がある。地方地方の方言はあるけれど、津軽弁よりわからないかもしれない。


東北の訛りは口が大きく開けない分、声も小さいし、ゆっくりに聞こえる。しかし、長野のその言葉は、松本駅前のおみやげ屋のおばさんが発するその訛りとは、かなり違って聞こえた。それは独特で、松本市内の方々もよくわからないという話を聞いたことがあった。つまり、この地方独特の方言、昔は交通での行き来もままならぬことが多く、11月から5月ぐらいまでは雪深く、市内の人たちとのやり取りもほとんどしない時間が多かったせいかもしれない。早口で声が高く、丸で機関銃の如くだ。


しかし、何回も何日も、その言葉を聞いていると自然とニュアンスはわかってくるから不思議だ。

「加奈子がきたらんば、どうしゃこするかってことを山田さんがいおうんかことになっとるけ、そんな早ようせんがって待っていてもほしいがってさ」と私に言ってきた。相変わらず早口で、多分、初めて言われたりすれば、英語を聞いているような、イタリア語を聞いているようなチンプンカンプンだったろう。


しかし、今は違った。大体の意味はこうだ。「加奈子が帰ってきたら、山田さんが一緒に行こうと言っていたけど、早く帰ってきても待っていてほしい」ということらしい。まあ、大体わかれば、いい。伝言はざっくりといつも聞くしかないと思い、いつもその体でいた。



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