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ひっそりと消えていく想い [生活]

2017.11.6


おはうよございます。


私の実家までは車では5分。自転車では10分。ゆっくり歩いて15分、ランニングで10分だ。ほどよい距離はどんなものかはわからないが、「ほどよい」距離感は、親の年齢によって変わってくることを思い知るようになった。


元気なうちは電車で1駅でもいいけれど、不自由になると車で5分も難渋になる。


2週間も前であろう昼過ぎ。桜の葉っぱがサラサラと舞い、キンモクセイがどこからともなく香りを放つ公園を通っていたときのこと。以前はよくお見かけをしたそこの住人の方をしばらく見ないことをふと思い出した---思い出したというよりも、そこには滅多に見ないスーツ姿の人が一人家の前にいたからだ。実家からの帰り道、今度はその家の前に3台ほどの車が止まっていた。


ナンバープレートはすべて他府県ナンバーであった。


次の日であったろうか。今度は二人のスーツ姿の男性が、その家の前にたたずまいを正して立っていた。


家の主の顔はわからない。もちろん、挨拶を交わすでもない。表札の名前だけしか知らない。


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ある日の午後、別の公園の前の家で「〇×ケア」と書いてある車が止まっていた。ちょうどストレッチャーを車から出しているところだった。二人のスーツ姿の方がテキパキした動作が事を進めていた。


ほんの一瞬、日常の中に突然非日常が舞い降りる。

水面に小さい波紋を起こすが如く、それは瞬く間に消えていく


どんな人生を過ごし、どんな想いをお持ちだったんだろうか。


そんな気配をふっと感じる年になった。



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