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アベノミクス [新聞記事]

2022.11.26

こんにちは。

日本人は政治に疎いのか、興味がないのか、はたまた達観してしまっているのか、それとも忘れっぽい人種なのかは定かではないが、政治家に拳を振るうような行動は余りとらない。それはいいことにせよ、悪いことにせよ一度だけあった。安保反対と学生運動が盛んだったころぐらいだろうか。赤軍の事件もあったし、いろいろな挫折を経て日本の社会が形成されていったことは間違いのない事実だろう。それはいろいろな方面の指導者と言われる方々の発言、一挙手一投足にも現れていたに違いないし、それは学校、テレビ、ラジオ、新聞など、マスコミの中からの発信で醸成されていったに違いない。それは自由主義を信奉する日本においては、当然のことであり、それをもって我々一人一人が国の在り方について考えていくべきことであるはず。しかし、その開かれた情報をもってしても、その時以来、日本国民は拳を上げることはなかった。

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少し前にも書いたことだが、安倍前首相と黒田日銀総裁とのツートップによってアベノミクスが実行された。「物価が上がれば賃金が上がる」という前提で、その政策はなされたが、残念ながらその思惑は大きく外れた。問題は、その外れた場合の「ケース2」の処方箋がなかったことだ。デフレ下にあって、そのデフレ脱却のために物価上昇目標を2%としたわけだが、一言、国民に問うていたら、それに対して「yes」と言った人間が一体どのくらいいただろうか?感覚的に物価が上がるに対して、国民の我々は「それは困る」という思いがいの一番に上がってくるはず。景気は「気持ち」が大きく支配することは否めない。つまり、感覚が一番上位に来る。それが「no」と言っている以上、その政策はうまくいくわけがないと思うのが普通の感覚だ。

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ここまでは感覚のお話で、棺桶に半分足を突っ込んだジジイが何を言っているというお話だが、ここからは現実的なジジイのお話。

ラーメン屋で「これが最後の1杯(500円)です」と店主が言ったとき、その店前に今日何も食べていない5人が行列をつくっていたら、「俺、510円出すから食べさせて」と言うと「私、530円出すから、それ私にください」、「待って待って、俺600円出すから俺に頂戴」、「悪いね。俺は700円出すから」、「冗談じゃない、腹ぺこだから800円出すから俺に」、「悪いね。じゃ、俺は1000円出すよ、余裕でもらっておこう」・・・・というようにオークションさながらに値段はだんだんとつり上がっていく。つまり、消費者の気持ちがそこに入って初めて値段は上がっていく。これって経済の大原則。

つまり、アベノミクスは完全に消費者である国民の気持ちを置き忘れていった政策ということにはならないか?

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同じことを逆条件で考えると・・・・。

ラーメン屋で「あと30杯ラーメン(1杯500円)が残っています。食べてくれる方がいたら勉強します」と店主が言ったとき、その店前に5人が行列をつくっていたら、「俺、490円出すから食べるよ」と言うと「私、450円出すから食べてみてもいい」、「待って待って、30杯も残っているんだから400円にしたら食べてやってもいい」、「馬鹿だな、それハーフプライスだよ。250円で手を打とう」、「冗談じゃない、5人しか並んでいないんだ。200円にして、あとの残りはすべて買い上げてやる。賞味期限もギリギリだし」・・・・というようにデフレスパイラルよろしく値段はだんだんと急降下。

ここにも消費者の感覚が大きな要因となってくる。これが元祖「景気」です。

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世界の国々で景気がいい国はどこかというと、インド、アメリカ、東南アジアの一部。大方の国は人口増の国だ。人口が増え続けている国は大方景気は上昇している。つまり、前述のラーメン屋ではないけれど、食べる口数が多ければ、自ずと価格は上昇し、ラーメン店主も躊躇なく値段を10円、20円、30円と上げることができるわけで、その口数が減り続けている日本では、早々自欲だけで値段を上げれば、即座に日干しに合うことになる。これは経済原理そのものだろう。

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インフレも、デフレも、それは人口構成に大きく依存している。

極端な例で恐縮だが・・・

日本の人口を増やせばいいと思った政治家が、東南アジアから、中国から、韓国から大量の高齢者を移住させたとしよう。「どうだ!これで日本の人口は増えた。これで景気はよくなる」と言ったとしよう。

景気はよくなりますか・・・・・ね。

誰がそんなこと思うだろうか? まず、100%、それは違うと答えるはず。つまり、人口の構成比、それも若い方、経済活動をする方々の比率が高いほど、国の経済は上昇に向かう。若い人ほど活発に「車を買う」、「旅行に行く」、「外食に行く」、「家を買う」わけで、そこに老人の姿は少ないのが当たり前だ。

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それが証拠に今回の物価はとうに2%を突破している。日銀の目標であった物価2%の壁はあっという間に突破している。「これは要因が違う。私たちが言っている物価上昇というのは・・・」と苦しい弁明に終始しているが、物価だけ上げても、我々の「気」が、企業の「気」がその気にならなければ、賃金上昇はしないし、景気の持ち直しはない。

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日本は技術力も、向上心も、忍耐力も、勤勉さも、教育熱も低い国民なら仕方なく観光立国であっていいのだが、幸いなことに日本は技術力も、向上心も、忍耐力も、勤勉さも持ち合わせている国民が五万といる国であって、多くの技術を世界に広めていったことも事実としてあり、人的資源は十分にある国。ただ、人口の伸びが全くない国だということ。そこを真剣に考えていくべきだと思う。

週末にして、相変わらず堅いお話。失礼した。

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