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奇跡の復活 [生活]

2020.6.8

こんばんは。

昨日、50年以上前に家にあったものが復活を遂げた。というと大層なもののように聞こえるが、残念ながら、そんなことは露ほどもない。私が多分、小学校時代か中学校時代だったころに我が家では毎日使っていた。しかし、時が移るにつれ、それは使われなくなり、我が家の記憶から忘れ去られていった。当時、我が家は東京都区内の戦争で焼け残ったアパートに住んでいた。特段豊かでなかった我が家は、毎晩、お米を七輪で炊いていた。当時は炊飯器なるものはやっと出てきたころで、テレビも洗濯機も家にあったら、それは大変な時代であった。テレビはお金持ちの家が持っているものと相場は決まっていた。我がぼろアパートの前には、そのお金持ちと言われる家があり、夕方いつも、その家の縁先に行ってテレビを見に行っていたことを思い出す。

当時我が家では、夕方のご飯炊きは大体私の仕事になっていた。七輪に紙屑を入れ、小さく切った木屑をくべご飯を炊く。「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」と言われ、結構職人芸に近いものがあった。タイマーでチ~ンなんてことは全くない時代であった。

東京にあった七輪を引っ越したときに持ってきた記憶はないが、ここにある以上、持ってきたんだろう。長い年月とともに柔らかめのレンガ質で固められたような七輪も雨風に当たっていたせいもあって、周りはかなり浸食されており、いつ真っ二つになってもいいような代物であったが、昨日のバーベキューでは、意志があるがごとく、堂々と飯盒炊さんとお湯を沸かすときに役立ってくれた。鍋底との距離もちょうどよく、火は絶えず安定して燃え盛っていた。ほかのキャンプ用の焼き網、ガスコンロより、かなり使い勝手はよかった。

40年以上未使用なものが復活をする。こんなことを体験すると、棄てるものもなかなか棄てられなくなり、断捨離も進まなくなりそうだ。しかし、この七輪は死ぬまで手元に置いておこうと心に決めた。

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