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生きているのがフ・シ・ギ・・・・・。 [生活]

2020.1.27

こんばんは。

既に外は真っ暗。明日は雪だろうか。どんよりと暗く重い雲が一日中覆っていた。少しだけウキウキしてしまう私は、現役世代からみれば大変無礼者だ。しかし、ウキウキしてしまうほど、歓喜・苦渋を含め雪の思い出は多い。

これも大分前に書いたことだが、そのときは関係者のことも一応気にしていたので、余り多くを書かなかったが、今日は書いてみようかと思う。

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それは春休みの4月1日。4月に入ったにもかかわらず、東京は結構寒さが厳しかった。

我々は春休みということもあり、みんなでドライブに行こうという話になった。あいにく車を持っているのは私だけであった。軽乗用車の三菱ミニカだ。大学生ということもあり、貧乏学生にとっては唯一の贅沢であった。今は性能がいいので、軽乗用車といっても侮れない。しかし、当時の軽自動車はクーラーはバッテリーの関係で付けられなかったし、窓もパワーウィンドウなるものは対象外であった。つまり、バッテリーに負荷がかかるものはすべて付けられなかった。それに馬力もたしか360㏄だったと思う。当時は本田N360とか、スバル360という車名があった。性能は今のものに比べたら大人と子供ぐらいの差があると思う。

そんなミニカで奥多摩に行こうという話になった。行きは今日のような曇天で少しだけ、雪がチラついていたと思う。しかし、若い私たちは、そんな雪を見ても、この先起ころうとしていることの重大さを予見できる者は一人としていないのも当然といえば当然かもしれない。それよりか、雪が降ってくることに妙に興奮しているような変な空気が漂っていることに誰一人気がついてはいなかった。

軽自動車に男4人が乗っていた。少しだけギュウギュウ詰め状態ではあったが、それなりにワイワイと楽しく時間を過ごしていた。出発したときはアラレと小雪が降っていたけれど、都心を抜けたあたりから雪の降り方は結構なものになっていった。東京には珍しくボタン雪となり、あっという間に舗装道路は白く変わり始めてきた。

山道に入った。カーナビなるものは当時はなかったので、地理に詳しい奴が地図を見ながらナビをして進んだ。

私「どこに行くんだっけ?」

A「日原鍾乳洞だ。結構寒いけど、鍾乳洞の中は温かいぜ」

私「そうか。それりゃいい。あとどれぐらいなんだ?」

A「林道に入ったから、あと五、六キロだと思うよ」

雪は益々激しくなってきた。ボタン雪は間断なく降り続け、目の前は真っ白にしか見えなくなったいった。しかし、誰一人として「もう戻らない?」と言う人間はいなかった。目の前の真っ白なる世界に引き込まれていくような、それが一番いいんだと思うような、そんな気持ちが我々の心を覆い尽くしてしまっていた。今から考えると車のチェーンも持っておらず、そのことを誰一人としてとがめる者もいなかったのは、そのことを十分に物語っていた。林道は段々と狭く、そして急勾配になって、ドンドンと登っていった。ギアはロウギアのみでセンコンドに入れるとエンストを起こしてしまうほど、坂の勾配は急峻になっていた。ふと気がつくと道は日光のイロハ坂のようにつづら折りにつながっていた。私は運転に必死となり、ただただ日原鍾乳洞を目指すしかなかった。

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