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学生村(20)-野うさぎの刺身 [学生村]

2017.6.26


今日は梅雨空だ。この梅雨が開けると激しい夏になるわけで、どんよりとした雲に覆われていることを感謝したい気持ちが多くなっている昨今のこの気持ち、年をとった証拠だとつくづく思う。



学生村には都合7~8年通っていた私だが、常連になるといいこともたまにはある。


それは秋風が吹き、蕎麦の花がちらほら咲き始め、宿には私のほかに二人しかいなくなり、夜の寒さも一段と身に沁みてきたころのことだった。


今で言うとジブエとか言うのだろうが、そのころはそんな格好のいい言い方ではなく・・・忘れた・・・・近所の方が鉄砲を片手に獲物を捕ったと言って昼の日中にやってきた。早速、さばいて食べようということになったらしく、宿屋のご主人に呼ばれた。運良くそのときは私とほかにもう一人しか宿にはいなかった。


私たちは呼ばれたので、まだまだ勉強の時間ではあったが、周りの静寂に何となく人恋しい気持ちも重なり、お茶でもご馳走してくれるのかと思い、すぐさま階段を駆け下りテーブルに着いた。


そこには刺身状態の肉切れが皿に乗っていた。その近所の方は一仕事を終えた感じで「じゃ、皆で食べてけろ・・[手(グー)][牡牛座][あせあせ(飛び散る汗)][水瓶座]〇×??・・」とお酒を馳走になったらしく、ほんのり赤ら顔をしつつ、詳細は不明だが、多分、「大丈夫、おいしいと思うよ」と言って帰っていった。相変わらず、ここの方言は全くわからない。 


私たちは何のお肉かも知らされず、見た目は桜肉のような、きれいなピンク色で柔らかそうであり、枚数はあまりなかったけれど、二人で3枚ずつ食べた。


私「うまい!なんだろう、この肉、?だよね」

もう一人「じゃないことは確かだね」

私「でも、馬はあまり見ないしね、でも、鉄砲持っていたよね」

もう一人「確かに。鉄砲持っていた」

私「ということは・・キジ、ハト、野ネズミ・・・魚じゃないね、生暖かいしね」

もう一人「わからん」

私「もしやウサギ・・・」

もう一人「かもね、でもうまい」


そうこう言っているうちの宿屋のご主人登場。

ご主人「そんだな、ウサギだ。うめいべぃ、やわらかし、あまいべ」


ニンニク醤油につけて食べた。初めてのウサギの刺身であった。

確かにうまい。牛の刺身よりさっぱり、しっかりの歯ごたえ感のあり、今でもしっかりと覚えているのだから、かなりうまかったに違いない。


継続は力なり・・・いやいや、継続は得なり。

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