母の話(20) [母のこと]
2017.5.13
母は今週の水曜日から微熱が続いていて、食欲もあまりない。
やはり、少量でもいいから食べてくれるだけで、こちらの気持ちは和らぐ。
今、うっかり「微熱」と書いたが発熱の域だろうか。37度から38度を行ったり来たり。自分での体温調節もままならないので、肌寒いと思い布団をかけ、少し暑くなると熱がこもって体温は上昇。暑いと思ってタオルケットにしていると、今日のような天気になると非常にまずいことになる。一日、付きっ切りでいるわけにもいかないので困ったことになっている。
昨日は往診医が来た。月に一回。過去においては、月2回と厚労省で定めていたみたいで、こちらは何の要請もしていないのに医者は月2回来ていた。当然、無料ではないわけで、そこそこ費用はかかるわけだ。
これは以前書いたことだが、社会保障費の増大とか言っているのは厚労省、その厚労省が医者に訪問は2回にしろと通達を出している。だから、私たちが医者に月1回お願いしますと頼んでも、それは厚労省の通達で無理と医者は平然とノタマウ。他人の財布だから、どうでもいいと思っているのか、社会保険料の高騰の原因の一端は実は厚労省じゃないのか、と厚労省のホームページに憤りをぶつけてみた。
その結果----とは思わないが、偶然時期を同じくして、月1回に変更になった。訪問医は嫌な顔をしていたが、私たちの費用負担は半分に減った。当然、社会保険料も減ったわけだ。ありがたいことだ。
別段用もないのだが、昨日、月1回の訪問医が来た。(この目的は、母が死亡したときに警察等に事件性の有無などの調査に入らせないためだけ)
血圧、脈、酸素フォワードを測った。折しも母は口に唾をため込んだまま飲み込まないでいたため、口の中を診ることはできなかった。私としては、唾を出すように洗面器を据え、それを促すが思うようにいかない。水を若干飲んでもらい、口をすすいで出してもらおうとしたが出さない。そうこうしているうちに案の定、むせ返ってしまった。しかし、水分も唾も出さないのか、出せないのか。仕方がないので、ベッドに乗り、母の背中に回り両手の指を口に入れ、吐き出すように促した。咳き込みはとまらずに私は少し焦っていた。
チラっと助けを求めるべく、医者のほうを見た。
私は愕然とした。
反対側のベッドサイドにしゃがんでいた彼は、私の手伝いをするわけでもなく、見守りをして指示を出すわけでもなく、じっとスマフォを見ているのみであった。
「俺は汚いものには手を触れないんだ」 そんな感じに見てとれた。
若い医者だが、医は算術、これが現実。
「お医者様は、ありがたい、命の恩人だ、赤ひげさんだ」なんて、微塵も思えない。
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