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学生村(10)--番所 [学生村]

2017.4.25


大滝の深い谷をさっきとは逆に上り始める。いい加減息が荒くなったころ、ようやくバス通りに戻った。

額にうっすらと汗が出てきた。喉も少し乾いてきた。滝壺の水を喉を潤してきたのに、もう乾いていた。


朝食を食べ、食休みをした後、今日は一日休校と勝手に決め、大滝を見、番所で休憩というおなじみのコースだ。

みんなでワイワイ騒いでのハイキングだから、結構楽しい。みんなの笑い声が辺り一面に響きわたっていた。


番所--バンドコロと呼ぶ。きっと昔は番所(バンショ)と言って関所みたいな役割を果たしていたのだろう。箱庭のような高台から見ても、ここの地形は細く、上下は深い谷で挟まれており、ここを通るしか、新島々にも霧縦高原にも行けないようになっているところであった。


今は小さなそば屋が1軒あるだけで、取り立てて関所の遺跡があるわけではない。いつも、そこのそば屋でみんなで食するのが楽しみの一つであった。蕎麦は土地柄、地元産であり、濃厚なそば粉をこねて食べるそばがきは絶品であった。


慶応ボーイと弁護士さんと高校の先生はお酒を注文、そば粉を鍋の中でかき混ぜながらチビリチビリとおいしそうに飲んでいた。


近ごろ、そばがきはどういうふうにお店では出すのだろうか。そこのお店では、そば粉とガス台、鍋、割り箸が出てきて、鍋に水を入れ、そば粉を入れ、割っていない割り箸で力一杯かき混ぜるというセルフ形式のそばがきであった。自分好みの固さで食べられるのと、大学生になって初めて食べるという思いがあって、妙に新鮮であった。

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