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学生村(7)-箱庭のごとく [学生村]

2017.4.21


叔父さん運転の車はどんどん坂を登っては下り、くねっては曲がリを繰り返した。あるときは、前方は雲というか、雲海しかなく、道は大きな坂を登っていくので前は全く見えず、車が空に飛び出していくのではないかと思わせるくらいぞっとしたが、その道は大きく左に曲がっているだけのことであった。車の後部座席に座っている私たちは、ジェットコースターに乗っているような、そんな山道の連続であった。


やっと車が止まった。

「ここさ、着いたぞ」---多分、叔父さんはそう言ったのだと思う。エンジンが止まったので、私たちは車を下りた。そこは車の退避帯が少し長くあり、峠の頂上に位置するところで、ここでユーターンをする人もいたり、休憩をしている人もいた。我々は無意識に道と空の境目に向かって歩いていった。道の際まで行き下を見下ろすと、そこは丸で箱庭のように小さな屋根があちこちに点在していた。街の両サイドには深い谷が見え、小川も見え、学校も見え、薬局も見えた。

叔父さんが言った「今までおんまえらがいたところさ。あすこが、ほんら、山村荘だ」よく目を凝らすと、確かに山村荘らしい3棟の屋根が見えた。卓球台と洗濯物、椎茸栽培の木組みも見えた、漬け物小屋も見えた。


さっきまで私たちが過ごしていた街が眼下にマッチ箱のように見えることは初めての体験であり、あんな小さなところで自分たちは生活をしているのかと思うと、何か不思議な感覚を覚えずにはいられなかった。

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