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学生村(5)-オーナー家族 [学生村]

2017.4.20


もう一つの別棟が、24畳一間の家から50メーターぐらい離れたところにあった。そこは残念ながら滞在をしたことはなかったので、よくはわからないが、トイレと洗面所が付いていること以外、8畳二間ぐらいだったようだ。


山村荘の住人(オーナー)は4人家族。ほぼ叔母さん一人で毎日食事の支度をしていたように思う。私自身、学生の青二才だったし、家事の「か」の字もわからない人間だったので、今思い起こそうにも思い出すことはできないくらい記憶にはない。


叔父さんは多分、近くにある営林署か何かにお勤めだったようだ。時たま、我々をドライブに連れ出したり、近くでうさぎを捕ったと言っては、その刺身を食べさせてくれたり、椎茸の栽培方法を教えてくれたり、忙しい合間に私たちのために時間をつくってくれた。


子どもたちは小学生の長男(茂雄)と長女(加奈江)がいた。二人とも我々学生が来る夏が楽しみな様子で、よく一緒に遊んでいた。小学生3と5年生ということもあり、二人とも素直で、暇なときには母親の手伝いをしていた。

山村荘は旅館業をしているわけだが、決して羽振りがよいわけではなく、子どもたちも、母親も父親も都会の家族とはかけ離れた純朴さと真っ直ぐな気持ちをもって我々に接してくれたことを覚えている。


ここ霧縦高原は、標高2800メートル。夏は短く、7月初旬から9月中旬までが夏らしい夏であり、その前後は朝夕はストーブをつけなければ少し肌寒さを感じるほどであった。8月中旬からは辺り一面蕎麦畑が広がり、9月初旬には赤い茎と白い花を見ながら、新島々行きのバスに乗って帰っていくのが常であった。


山村荘の冬は雪深く、スキー場がバス停3つ上にあるものの、ほとんどスキー場界隈の旅館に吸い込まれてしまい、山村荘にまで流れてくる客は、よほどの物好きか、上の宿で予約のとれない客人ばかりであったため、決して潤沢な売上、豊かな生活にはなっていないようであった。

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