あなたの言っていることは正論かもしれない

2017.3.27

あなたの言っていることは真理に違いない。でも、それは厳しく、寂しく、辛いことなので、小心者の私も、世の中の多くの人が踏み出せないでいることだ。

彼は、そのインタビューで遠慮がちに言葉を選んでいった。

「自分のやっていることに共感してもらえる人と共感したい」裏を返せば、みんなの好きなことに自分を合わせるつもりはなく、自分の心に響くことに、心をとめることに賛同してもらえる人がいるなら、それでいいと。

ヒットが出たから、次はどういう曲想にすればみんなに受けるんだろうとは考えない。足場をしっかり固めなければいけない。格好をつけるわけではなく、本当にそう思ったと言い切った。

確かに、それが今の彼であるし、皆が心から受け入れていることがその証だ。決して一朝一夕にできるわけもなく、重々それは知っているつもりだ。50年という歳月の積み重ねの中で、ぶれることなく、焦ることなく、自分に真摯に、人に謙虚に対峙した結果なのだと思う。

珍しく政治の話も少し口にした。政治は妥協の産物だけど、音楽に妥協はないと。

自分の仕事はどうなんだろう、人生はどうなんだろう、妥協の固まり以外の何者でもない気がしてきた。

考えさせられるインタビューであった。

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