リストラに負けてはいけない (2) [新聞記事]
2016.10.12
そのときの店長・エリアマネージャーは理由を聞いてきたが、当然、本当の理由は言うつもりもなく。怪我による退職と言い張った。彼らにとって、それは興味本位に違いなかったからね。
さっき、精も根も尽き果てたと書いたが、こんなことで精根を使い果たすほどヤワではない。
理由はほかにあった。
その会社は人事異動があると通知文書を出し、全店舗に流すことになっていて、その異動通知が出たときに、我がエリアマネージャーは、絶対にその通知を認めぬと訳のわからないことを言ったことに腹が立った。自分でそのエリアを統括し、人を自由に動かせる人間だったにもかかわらず、どういう理由かは知らないが、それを認めないとは、大人げないにもほどがあった。異動日についても詳しい情報は何ももらえない。とんでもない上司であった。
今となっては笑い話として、こうしてブログにアップできるほどの余裕を持てることになったが、当時としては、アップアップであった。ここで文句を言ったら、退職金が減らされるんじゃないかと小さなことを考えてしまった自分が少し情けなかった。
少し後悔の念がある。あのとき思いっきり言い返せれば、社内の彼の上の人間に進言したら、どんなにすっきりするかってね。
リストラの対象になる前、私のお店は売上が好調だった。それは、当時、ほかではあまりやっていないモーニングを試しで始めた影響が大きかった。
今でも理由がわからない。なぜ自分がリストラをされたのか。
一つだけ思い浮かぶことがあった。
定かな情報ではないものの、私が入社当時、その店のマネージャーよりも誰よりも、私のほうが給料がよかった。それはなぜか。私が年長であったから。年齢給というものがあり、その年齢で、私はマネージャーより、かなり優っていたことになる。
私は三十路を過ぎての転職であって、当時の社員平均年齢は22~4歳であり、私はその地域でもダントツの高齢者でだった。
21年前、隆盛を極めた売上も、徐々に減り始め、企業業績にも色あせが見えてきており、「500万円店長」という言葉が新聞にも載るような時代になってきていた--私の年収は1000万円を超えつつあった。
私は退職をした。
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