母の話(8) [母のこと]
2016.10.3
母の食欲は相変わらず芳しくはない。
食パンを四分の1枚も食べ切れない。ポカリスェットも200㏄が関の山だ。
高カロリー、高脂肪、現代人が今一番毛嫌いしているものを選べばいいのだけれど、量は少なく、かみやすいものとなるとなかなか見つからない。
介護の人たちがよく言うのは、ゼリー、プリンとかだけど、幾ら甘いものが好きな人間でも、毎日プリンでは食べなくなるのは目に見えている。
そこで考えたのが、卵の半熟とチーズ、チョコレート、高栄養ウィダインゼリー、アイス、プリン、ホワイトソース類、野菜ジュースなどなど。
半熟卵とマヨネーズ(醤油、ケチャップ)を絡めティースプーンに、スライスチーズを小さく切って、その上に引っかけるように乗せる。
これにポカリ、野菜ジュース、パンを間にはさみつつ、交互に食べてもらう。
第一目的は卵一個とスライスチーズ一枚の摂取。それに水分200㏄。これが第一優先でやることにした。
夜は食べるときと食べないときがある(食べないときが多いけど)ので、一点集中でやるしかない。
それをやり続けて2週間。
その甲斐あってか、体幹、発声、歩行も少しずつよくなってきているような気がしてほっとしている。
しかし、生きていくための量が絶対的に足りない。
200㏄の水分をティースプーンで口に運ぶ作業は、時間と労力がかかり過ぎる。ヘルパーさんに頼むのは自ずと限界が見える。そのことが、自分で自宅で看取ることになった最大の理由になる。
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