父の話(5) [父の話]
振り返ってみると、彼が悪口を言っていることを聞いたことがなかった。正確に言うと、意見は言ったが悪口は言わない人間だった。
私は他人の悪口、噂話は飯より好きな人種で、全くDNAは受け継いでいない。
確かに悪口はそのときの気晴らしにはなるけれども、決して自分の心の中は洗浄してくれない。
嫌な脱力感のみが残ってしまう。しかし、それを言っている本人は全く気がつかないから具合が悪い。
今、ヘイトスピーチ、ヘイトスピーチと騒いでいるけれども、彼らはそれをもって自分の気持ちを一人勝手に高揚させているんだろう。全くの自己満足以外の何者でもない。それを行使することで何か解決策が見えてくると思っているのだろうか。
大体、お隣同士、3回続けて挨拶をしないで無視をしていれば、その関係は否応なく悪化する。最低限、笑顔で挨拶をすれば、最低限の交流は始り、認め合い、話し合い、物事は動いていく。人間は、そういうもの。ごくごく単純な回路をもって動いている者なのです。でも、それをご本人は理解できない。
ヘイトスピーチ=「憎悪にもとづく発言」という意味らしいが、そのまま言えばいい。報道する側も「憎悪にもとづく発言」の行進がと言えばいいんです。ヘイトスピーチと言えば、通りがいい、今流で許されるみたいな、そんな風潮もあるのか、ないのか。
憎悪にもとづく発言を言っている時間があるくらいなら、何か役立つ建設的な意見を言ってもらったほうが、どんなに世の中のためになるか。人は生きてきた以上、何か役割があるはず。その役割を見つけ、自分を奮い立たせ、ぶれることなく進まなければいけない。その時間とマンパワーは、その日のために温存しておいたほうが懸命だと思う。
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