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父の話(2) [父の話]

人に引き立てられることの意味 

父が通っていた時代の学校は尋常小学校、これは6年制(12歳まで)、その後、高等小学校が2年あった。これで義務教育は終わる。つまり、14歳を超えたところで社会人となっていた時代。今の中学生卒と同じ感覚だけれども、彼が高等小学校まで行っていたかどうかは不明。

なぜなら、彼は貰い子でしたから、そんなに先の学校に進学することもままならないことは想像に難くない。

当時、日本の地方都市では、林業や農業が盛んで、中心的な産業は一次産業だった。例外なく彼の生まれた町も林業が盛ん。そのため、彼は林業関係の会社に就職することになった。

そこで何年かが過ぎていく。ある日、そこの職場の上司が、彼にこう言った「あんたは、こんなところで働くより、もっと別な働き場所がある」と。それが、こんな場所で働くのはもったいないと言ったのか、この職場には全く向いていないと言ったのか。どういう意味なのかはわからないが、その上司の口利きもあり、転職をすることになる。これが尋常小学校しか出ていない彼の大躍進の人生となることは、そのときの彼には、当然わかるはずもないことだった。


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